家族・子供・パートナー


 

■子供にイライラする / Fさんのお悩み

 

子供が泣きわめいたり、わがままを言ったりすると、イライラする。

いい子のときはいいが、思うようにならないと可愛く思えない。

子育ての悩みを旦那さんに相談すると、嫌がられるので自分で抱えてしまう。 

<幼少期の状況とセッションの主な内容>

幼少期、父親が暴力をふるい母親を叩いていた。

いつも母親がかわいそうで、「父親が全部悪い!」と思っていた。

妹は気ままで成人するとすぐに家を出て自由にしていたが、自分は母親を置いて家を出るということに罪悪感を感じてなかなか出れなかった。

やっと結婚して家を出ることができたが、実家のことが心配でいつも考えてしまう。

 

Fさんは子供の頃から、かわいそうな母親を助けてきていました。

「母親が辛いのは全部父親のせい」ということにして父親への怒りを握りしめ、

母親を守りたかったということに気づいてもらいました。

 

Fさんはそのとき子供だったので、母親を守ることはできなかった、

守ってもらわないとならなかったのはFさんなんだよ、と伝えると、本当の恐怖と悲しみが出てきました。本当はお父さんに近づきたかったし、家族みんなで仲良くしたかった、という気持ちに気づきました。

 

子供の頃に親にじゅうぶん甘えたり、わがまま言ったりすることを抑圧してきていると、

それをしてくる子供にイライラします。

セッションで甘えることや癇癪を起こすワークをして、身体を使って子供の体験をしてもらいました。

 

その後、子供をぎゅっと抱きしめられるようになった、旦那さんに子育てのことを相談できるようになった。 誰かに子供を預けて家を空けることができるようになった、と報告がありました。


 ■見捨てられ不安 / Gさんのお悩み

 

彼氏ができても、見捨てられるのではないかと不安。

いつもだめなひとと付き合ってお世話してしまう。嫌なことがあっても嫌だと言えず、彼のお世話をしてしまう。

結婚したいとは思うが、こんなわたしでは誰も愛してくれないのではないか?と思っている。

<幼少期の状況とセッションの主な内容>

両親共に良い大学を出ていて、両親共にエリート家系。

しかし、母親は実家のきょうだいの中で「変わった子供」扱いだったので、

母方の祖母は「どうしていつもそうなの?」と「世間に出て大丈夫か?」と母親を心配していた。

本当は親の言うことを聞きたくなかったが、祖母の勧めで結婚。

 

幼少期、Gさんの母親はGさんをだめな子供として扱い、2歳違いの弟を溺愛。

弟は成績が良く、褒められてきた。

母親は自分が言われたセリフをそのままGさんに向けて言っていた。

 

セッション当初、Gさんはどうしたらいいのかがわからなくて「愛される自分になるにはどうしたらいいか?」という主訴を訴えました。

ひとの目を変えるのではなく「あなたはどうしたいの?どうなりたいの?」とお聞きすると、自分で考えられなくなり、結局自分を責めてしまう、とのことでした。

 

母親自身が子供のままで、お人形のように弟を可愛がり、自分には見向きもしなかった、

全然自分に関心がなかった、ということを思い出し、見てもらえない恐怖と悲しみが出てきました。

 

勉強ができないと「なぜできないのか?」と母親に問い詰められ、ますます頭が真っ白になってわからなくなってしまう。「そんな自分は馬鹿なんじゃないか?」と思ってきた、とのこと。

 

母親も自分の自己価値が低く、親を喜ばせられない存在だと自分を責め、Gさんに自分のできない部分を投影して罵ってきたこと、そして、そんな母親の悲しみをどこかでわかっていて、母親のために自分をわざとできない自分にしていた、ということに気づいていただきました。

 

「できないとレッテルを貼ったのは母親であり、それを鵜呑みにすることで母親を助けてきた、この役割を降りる」と決めてから、Gさんは自分の仕事の幅が広がり、自分を幸せにしない彼と別れる決意をすることができました。その後、素敵な彼氏ができたようです。


 ■実家から自立できない / Hさんのお悩み

 

じゅうぶんな収入はあるのに、一人暮らしができない。

家を出たら、母親がひとりになりかわいそうな気がする。

自分もひとりでやってゆけるかとても不安。

<幼少期の状況とセッションの主な内容>

Hさんは二人姉妹で妹はすでに家を出ている。

母親はずっとヒステリー気味で、Hさんは幼少期に暴力を受けてきた。

「妹は出来がいいのに、どうしてあんたはできないの?」と言われて育った。

実は、Hさんの前に生まれてすぐに亡くなった子供がいて、母親はそれをとても悲しんでいた。

 

「Hさんが家を出たら、お母さんはどうなりそう?」と聞くと、「壊れてしまって死んでしまいそうな感じがする」と答えました。

母親は悲しみをひとりで抱え、夫である父親はそれを受け止めなかったため、そのストレスをHさんにぶつけて、自分の中のバランスを取ってきていました。

 

「自分がいると、もっとお母さんを苦しめてしまう」という恐怖感は、Hさんが母親のお腹の中にいるときから感じていたもので、相当な恐怖が出てきたため、バーストラウマセッションをしました。

Hさんは「生まれてしまったら、母親を苦しめる、だったら自分は生まれないほうがいい」と決めていましたので、お母さんの恐怖や悲しみは、母親の幼少期からあったもので、Hさんには関係ないということを納得していただき、自分のために生まれる決意をしてもらいました。

 

「わたしはお母さんの恐怖と悲しみを背負うために命をもらったのではない」

「お母さんは大切な存在だけど、わたしの人生を損なってまで面倒みるのは違う」

「お母さんの気持ちを受け止めるのはお父さんの役目であり、わたしではない」

腑に落ちたようでした。

そして、亡くなってしまった子供の分まで生きて母親の面倒をみようとしていたので、そのきょうだいの役を降りてもらい、「お姉さん、いつかまた会おうね」と伝えていただきました。

 

「このセッションの後、Hさんは一人暮らしができるようになりました。